Shopify で離島の送料を設定する方法|標準機能の限界と対応アプリの比較
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「沖縄県は 1,500 円」と設定したのに、石垣島への発送で運賃が倍かかってしまった。Shopify で離島を含む配送を扱うと、多くのストアがこの問題に直面します。
結論から書くと、Shopify の標準機能では同じ都道府県の中で離島だけ送料を変えることはできません。配送エリアを分けられるのは都道府県の単位までで、郵便番号を条件にしたエリアは標準では作れないためです。
対処法は 3 つあります。それぞれの手順と限界、どれを選ぶべきかの判断基準を整理します。
なぜ標準機能では離島に別料金を設定できないのか
Shopify の送料は、配送プロファイルの中の「配送エリア」ごとに決まります。日本国内であれば 47 都道府県を任意のグループに分け、それぞれに料金を設定できます。
問題は、この分割の最小単位が都道府県だということです。たとえば次のような設定はできません。
- 沖縄県のうち、沖縄本島は 1,500 円、石垣島・宮古島は 2,500 円
- 鹿児島県のうち、本土は 1,000 円、奄美大島・種子島は 2,000 円
- 東京都のうち、23 区は 800 円、伊豆諸島・小笠原諸島は 3,000 円
実際の宅配便の運賃は、沖縄県内でも本島と先島諸島で中継料金が変わります。鹿児島県や長崎県のように離島を多く抱える県では、県内の運賃差が 1,000 円を超えることも珍しくありません。標準機能だけで運用すると、この差額はストアの持ち出しになります。
Shopify の公式ヘルプでも、郵便番号にもとづく配送エリアの整理にはアプリを使う方法が案内されています。標準機能の制約は仕様であり、設定の工夫で回避できるものではありません。
解決策 1: 都道府県の単位で妥協する
まず、アプリを使わずにどこまでできるかを確認しておきます。北海道と沖縄県だけを別料金にするところまでは、標準機能で設定できます。離島宛の発送が特定の県に集中しているストアであれば、これで足りる場合もあります。
設定手順
- Shopify 管理画面の「設定」から「配送と配達」を開きます
- 配送プロファイルの「送料を管理する」をクリックします
- 配送エリアの右側にある「…」から配送エリアの編集を選びます
- 本土向けのエリアから、北海道と沖縄県のチェックを外します
- 「配送エリアを作成」で北海道・沖縄県だけのエリアを追加し、別の料金を設定します
この方法の限界
- 鹿児島県の奄美大島、長崎県の五島列島、東京都の伊豆諸島などは、県内の本土と同じ料金のままです
- 沖縄県内でも、本島と石垣島・与那国島の運賃差を吸収できません
- 離島宛の注文が増えるたびに、都道府県の単位で妥協した分の差額が積み上がります
離島への発送が年に数件で、差額を許容できる規模であれば、この方法がもっとも運用コストの低い選択肢です。
解決策 2: 注文後に追加請求する
チェックアウトでは一律の送料を表示しておき、離島宛の注文が入ったら個別に連絡して差額を請求する方法です。
運用手順
- 商品ページや配送ガイドに「離島は追加送料が発生する場合があります」と明記します
- 注文が入ったら配送先の住所を確認します
- 離島宛であれば、お客様に連絡して追加送料に同意をいただきます
- Shopify の注文編集から追加の送料を請求します
この方法の限界
- 注文ごとに手作業が発生します
- チェックアウトで見えていた金額と請求額が変わるため、キャンセルにつながることがあります
- あとから請求されたという印象は、レビューやリピートに影響します
発送件数が少ないうちは現実的ですが、離島の注文が定常的に発生するようになると運用が追いつかなくなります。
解決策 3: アプリを使う
郵便番号から配送先が離島かどうかを判定し、専用の送料を返すアプリを使う方法です。チェックアウトの時点で正しい金額が表示されるため、ここまでの 2 つの問題がどちらも解消します。
ただし、アプリを選ぶ前に必ず確認しておくべきことがあります。
先に確認: 自分のプランで CCS が使えるか
チェックアウトでリアルタイムに送料を計算するアプリの多くは、Shopify の外部配送料金サービス (CCS)という機能を前提にしています。そしてこの機能は、すべてのプランで使えるわけではありません。
- Advanced プランと Plus プランでは標準で利用できます
- Grow プランでは、年払いに切り替えるか月額の追加料金を払うと利用できます
- Basic プランでは利用できません
つまり Basic プランのストアでは、CCS を前提にしたアプリはそもそも動きません。この条件はアプリの紹介ページに小さく書かれていることが多く、インストールしてから気づくケースが少なくありません。
Basic プランで離島の送料を設定したい場合は、CCS を使わずにShopify の配送設定へ料金を同期する方式に対応したアプリを選ぶ必要があります。数は多くありませんが、そうしたアプリも存在します。この記事で挙げるものでは Kirarity カスタム配送料 と Parcelify が該当し、逆に ShipX は CCS が必須であることを掲載ページに明記しています。
主要なアプリの料金と強み・弱み
離島の送料設定に使える主なアプリを、料金プランとあわせて整理します。料金と機能は 2026 年 8 月時点のもので、金額はいずれも米ドル建てです。
なお、CCS が必要かどうかはアプリごとに異なり、掲載ページに明記されていないものもあります。Basic プランや月払いの Grow プランで検討している場合は、インストール前に提供元へ確認しておくと確実です。
Kirarity カスタム配送料
https://kilarity.com/products/kirarity-custom-shipping
当サイトが開発しているアプリです。約 200 の有人離島データを内蔵しており、郵便番号を登録せずに島ごとの送料を設定できます。CCS が使えない Basic プランでも、代替モードで同じ送料をチェックアウトに表示できます。
料金プラン (14 日間の無料体験つき)
- Starter: $6 / 月。同時にアクティブにできる配送ルールは 3 件まで
- Standard: $12 / 月。配送ルールは 6 件まで
- Advanced: $24 / 月。配送ルールは 12 件まで
- プランによる機能の差はありません。変わるのは配送ルール数の上限だけです
できること
- 約 200 の有人離島に、一律料金・島ごとの個別料金・配送不可を設定
- 47 都道府県ごとの個別料金
- 商品タグ・商品タイプ・個別の商品を条件にした出し分け (クール便や大型商品の上乗せなど)
- 重量・注文金額・商品点数による条件指定
- 無料・割合・定額の 3 タイプの配送料割引と、適用期間の指定
- チェックアウトの表示モード (最安のみ・最高のみ・全件) の切り替えとシミュレータ
- 代引き手数料の自動計上 (Shopify Plus のストア限定)
強み
- 離島データが内蔵されているため、郵便番号の登録と保守が不要です
- Basic プランでも代替モードで動きます。CCS の有無でアプリを選び直す必要がありません
- Advanced プランからは、よりリッチな表現が可能な CCSモードの利用もできます
- どのプランでも全機能を使えるため、機能のために上位プランへ上げる必要がありません
気をつける点
- 2026 年 7 月にリリースしたばかりで、導入実績とレビューはこれからのアプリです
- マニュアルとサポートは日本語のみです
- 代引き手数料の自動計上は Shopify Plus のストアでしか使えません
配送カスタム.amp
https://apps.shopify.com/amp-custom-delivery-charge-prd?locale=ja
2022 年から提供されている国産のアプリです。郵便番号をもとにした設定に加えて、代引きや置き配など日本の配送手段に幅広く対応しています。
料金プラン (14 日間の無料体験つき)
- NORMAL: $12 / 月。都道府県と郵便番号による配送料設定、商品タグごとの設定、代引きと置き配便への対応、シミュレータ
- ADVANCED: $24 / 月。NORMAL の全機能に加えて、商品点数と金額による計算、コンビニ受け取りの設定、複合条件の設定、割引ルール
強み
- 2022 年から運用されている国産アプリで、日本語のサポートを受けられます
- 代引き・置き配・コンビニ受け取りなど、配送手段の対応範囲が広いです
- 郵便番号を直接指定できるため、離島以外の地域を細かく分けたい場合にも使えます
気をつける点
- 割引ルールや複合条件を使うには、上位の ADVANCED プラン ($24) が必要です
- 最安のプランが $12 からで、小さく始めたい場合は割高になることがあります
- 導入実績を示すレビューは 2 件です (2026 年 8 月時点)
Zapiet - Rates by Zip Code
https://apps.shopify.com/delivery-rates-by-zipcode?locale=ja
郵便番号をもとに送料を設定する海外製のアプリです。レビューは 129 件で平均 4.9 と、今回挙げた中では最も実績があります。
料金プラン (14 日間の無料体験つき)
- 単一プラン: $14.99 / 月。年払いにすると 10% 割引になります
- プランの分岐がないため、機能制限を気にせず使えます
できること
- 郵便番号ごとの送料設定
- 注文の重量と金額による段階料金
- 1 から 100 拠点までのロケーションに対応
強み
- レビュー数と評価が高く、海外を含めた導入実績が豊富です
- プランが 1 つなので、機能のために上位プランを検討する必要がありません
- 多言語に対応しており、チャット・メール・電話のサポートがあります
気をつける点
- 日本の離島データは内蔵していません。対象の郵便番号を自分で登録し、住所の変更に合わせて保守する必要があります
- 料金の軸は郵便番号・重量・注文金額です。商品タグのような商品条件での出し分けは主眼ではありません
- 管理画面とサポートは英語が中心です
Parcelify: Shipping Rates
https://apps.shopify.com/parcelify?locale=ja
2016 年から提供されている海外製のアプリです。レビューは 160 件で平均 4.8。掲載ページに CCS が不要であることを明記しており、プランを問わず導入できます。
料金プラン (14 日間の無料体験つき)
- 単一プラン: $19.99 / 月。カスタムレートとレート検索の数に上限はありません
できること
- 定額・顧客別・商品別・数量別・重量別の料金計算
- 郵便番号によるフィルタリング
- 複数のレートを組み合わせる混合、複数ゾーン、複数の発送元
- 実店舗受け取りのオプション
強み
- CCS が不要と明記されているため、Basic プランのストアでも導入できます
- 2016 年から提供されており、レビュー 160 件と実績があります
- プランが 1 つで、機能のために上位プランを検討する必要がありません
気をつける点
- 日本語に翻訳されていません。管理画面とサポートは英語です
- 日本の離島データは内蔵していないため、対象の郵便番号は自分で登録・保守します
- $19.99 と、今回挙げた中では月額が高めです
ShipX - Shipping Rates & Rules
https://apps.shopify.com/shipping-rates?locale=ja
Logbase が提供する海外製のアプリです。レビューは 1,163 件で平均 5.0 と、今回挙げた中では最も評価数が多いアプリです。
料金プラン (有料プランは 14 日間の無料体験つき。年払いで 10% 割引)
- Free: $0。テストモードでの設定とサポートのみ
- Starter: $9.99 / 月。郵便番号と距離による料金、重量・数量ベースの料金
- Smart: $24.99 / 月。Starter の全機能に加えて、商品ベースの料金 (無制限) とレート混合
- Premium: $34.99 / 月。Smart の全機能に加えて、配送業者連携・寸法ベースの料金・AI 梱包
強み
- レビュー 1,163 件・平均 5.0 と、実績と評価が突出しています
- 無料プランがあり、テストモードで設定を試してから課金を判断できます
- プランが 4 段階に分かれており、必要な機能に応じて選べます
気をつける点
- CCS が必須であることを掲載ページに明記しています。Basic プランでは利用できません
- 日本語のサポートはありません
- 日本の離島データは内蔵していないため、対象の郵便番号は自分で登録・保守します
- 商品ベースの料金やレート混合を使うには Smart ($24.99) 以上が必要です
Google 検索や AI の回答で CustomShip を薦められることがありますが、このアプリは Shopify App Store での提供を終了しており、2026 年 8 月の時点では新規にインストールできません。
どれを選ぶか
- 離島への発送が年に数件で、差額を許容できる場合は、解決策 1 の都道府県の単位での設定
- 発送件数は少ないが差額は回収したい場合は、解決策 2 の注文後の追加請求
- 離島の注文が定常的にある、または正しい金額をチェックアウトで見せたい場合は、解決策 3 のアプリ
アプリを選ぶ場合は、まず自分のストアのプランで CCS が使えるかを確認し、使えない場合は CCS を前提としない方式に対応したアプリに絞り込んでください。ここを最初に確認しておくと、インストールしてから動かないという事態を避けられます。
そのうえで、次の軸で絞り込むと選びやすくなります。
- 日本の離島データを自分で保守したくない場合は、離島リストを内蔵しているアプリ (この記事では Kirarity カスタム配送料) が候補になります
- 日本語のサポートを重視する場合は、国産の配送カスタム.amp か Kirarity カスタム配送料になります。ほかは英語が中心です
- 導入実績とレビュー数を重視する場合は ShipX (1,163 件) や Parcelify (160 件)、Zapiet (129 件) が上位です
- 代引きや置き配、コンビニ受け取りなど配送手段そのものを増やしたい場合は 配送カスタム.amp が対応範囲の広い選択肢です
Kirarity カスタム配送料の設定手順は、マニュアルで公開しています。離島の料金設定は第 3 章、Basic プランでの利用は第 10 章が該当します。